Hallo Leute!! Wie geht es euch?
みなさんご機嫌いかがでしょうか?
Wataridori Blog管理人かたやまかずさです!
今回はドイツ野球を理解するうえで欠かせない
「ドイツ野球の独自ルール」
について解説していきます。
主に「外国人枠」についての解説なのですが
ベースボールブンデスリーガは他の国のリーグと比較しても
かなり特殊な独自ルールを持っています。
この独自ルールが
ドイツ野球リーグのレベルの高さにも大きく影響していますし
このルールを知らないと
「なんでこんなチーム編成になってるの?」
「今の選手抗体って何が起きたの?」
と理解できないことが出てくるので
今日の内容はかなり興味深いと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
動画で見たい!という方はこちら↓
これを知らないと理解できない!?ドイツ野球の特殊な独自ルール7選
特殊な独自ルールとは主に“外国人枠”のルールについてなのですが、
ベースボールブンデスリーガにも日本のプロ野球と同じように
“外国人枠”のルールが存在します。
すごくおおまかにいうと、
「外国人枠は3枠。野手が一度に試合に出場していいのは2人まで。外国人投手が登板していいのは2試合目に一人のみ。」
となっています。
ちなみに日本のプロ野球では
「1軍登録4人までで投手のみ野手のみの4人は不可」
ですね。
その1「外国人の定義がヨーロッパ国籍以外の選手」
これが最もドイツ野球に大きな影響を与えている独自ルールなのですが
ベースボールブンデスリーガではEU国籍を持つ選手は外国人扱いになりません。
逆に言えば
EU国籍を持っていればドイツ国籍を持つ選手と全く同じように試合に出場することができる
ということ。
しかしここではっきりさせておかないといけないことが
〇〇人ではなく、国籍で判断されるということです。
当たり前だと思うかもしれませんが
そんな単純なことではないんです。
我々日本人にはあまり馴染みがありませんが
海外では二重国籍というものがあります。
二重国籍とは簡単に言うと
自分が生まれた国の国籍と、両親や祖父母の生まれた国、つまり自分のルーツとなる国の国籍を二重で取得することができる制度です。
なのでブンデスリーガで活躍する選手の中には
オランダやイタリアのヨーロッパの野球強豪国出身の選手や
アメリカで生まれ育ったアメリカ人だけど、
ルーツが中南米のスペイン語圏にありスペイン国籍を取得して
外国人枠の制限を受けずにプレーをする選手などが数多くいます。
助っ人外国人はプロ契約をしている選手がほとんどですが
そういった選手はプロ契約をした助っ人外国人選手でありながら
試合にはドイツ人選手と同じような扱い
つまり外国人枠の制限を受けずに試合に出場することができるのです。
これが何を意味するかというと
ブンデスリーガでは外国人枠があるにも関わらず、ドイツ人がいなくてもチームを編成することが可能ということになります。
しかもこれは極端な話ではなく
「スタメン10人のうちドイツ国籍の選手は1人しかいない」
なんてことはザラにあります。
今ブンデスリーガではドイツ国籍選手より
それ以外の国籍を持つ選手で構成されるチームの方が多いです。
このあるようでないような外国人枠のルールによって
EU国籍を持ついい選手がドイツでプレーすることが増え
リーグのレベルは年々上がっています。
2023年のWBCのチェコ対日本戦でリリーフ登板したトメク選手も
ドイツブンデスリーガでプレーする外国人選手ですが
チェコ国籍の選手なので外国人枠には該当しません。
このようにブンデスリーガのレベルが高いことを聞きつけ
外国人枠にもあたらないので
ドイツでのプレーを希望するEU国籍を持つの選手は珍しくありません。
ただ、そのEU国籍選手に出場機会を奪われるドイツ人選手も出てくるので
ドイツ野球のレベルが伸び悩んでいる一つの要因とも考えられています。
また、外国人枠に該当しないEU国籍の選手は
ルール上いくらでも補強ができるので
資金力=チーム戦力の関係性がより強くなり
資金力のあるチームとないチームの戦力差は開くばかりです。
その2「ショートとキャッチャーを同時に外国人選手が守ってはいけない」
変なルールですが、なぜか同じタイミングで
「キャッチャーとショートを外国人選手が守ってはいけない」
という独自ルールがあります。
例えばキャッチャーがアメリカ国籍の選手だった場合
日本国籍の僕はショートを守ることはできません。
その時のショートはEU国籍の選手じゃないといけません。
逆も然りです。
おそらくこの2つは重要なポジションだからということだと思うのですが
この2つだったらキャッチャーの方が重要なポジションなので
そういった理由もあり
キャッチャーの方が助っ人外国人選手としての需要は高いです。
その3「外国人投手は2試合目に1人のみ」
「2試合目に1人のみ」
という部分がわかりにくいと思いますが
基本的にブンデスリーガの試合スケジュールは1カード2連戦です。
つまり同一カード2連戦の2試合目にしか外国人投手は登板できない
ということです。
ダブルヘッダーの場合は、その日の2試合目。
土曜日に1試合、日曜日に1試合など日を跨ぐスケジュールの場合は
2日目(2試合目)の日曜日にしか外国人投手は登板できません。
先発でもリリーフでもクローザーでも構いませんが、1人しか投げれないので外国人投手の継投はできません。
その4「ベンチ入りは無制限」
試合に出場していいのは
「野手2人まで(2試合目は)投手1人のみ」
と制限がありますが
ベンチ入りに制限はないので
何人ベンチに外国人選手がいても問題ありません。
(NPBはベンチ入りが4人まで)
実際試合に出れないのにそのコストをかけるチームは
よっぽど資金力があるチームに限られますが、
ルール的には問題ありません。
その5「スプリンガー枠」
次に外国人枠以外の独自ルールについても紹介します。
「スプリンガー」というのは下部リーグ登録の選手のことで
すごくざっくりいうと2軍登録の選手のことです。
スプリンガー枠というのは
2軍登録の選手は同時に3人までしか試合に出ることができませんよ。
というルールです。
なぜこのようなルールがあるかというと
ブンデスリーガではシーズン前に選手登録をするのですが
ブンデスリーガ1部でプレーするいわゆる1軍選手なのか
2部や3部など下部リーグでプレーする選手なのか登録しないといけません。
これを見て
「1軍の試合に出る時は1軍登録するんじゃないの?」
と思うと思いますが、
1軍登録すると、
そのシーズンはもう1軍(1部)の試合しか出られなくなってしまいます。
シーズン中は選手登録の“昇格”はできても“降格”はできない仕組みなんです。
だから2軍登録のまま1軍の試合に出場するのですが
その2軍登録の選手のことをスプリンガー(飛級者という意味)と呼び
枠が設けられていて3人までしか出場できないというルールです。
なぜこのようなルールがあるのかというと
下部リーグでプレーする選手の出場機会を守るためのルールで
2部も負けたら3部降格があります。
試合に勝ちたければ2軍の試合でも1軍の選手が出場すればいいですよね?
でもそうすると1部2部とカテゴリーわけされている理由がなくなりますし
その勝利至上主義のために出場機会が奪われる選手も出てきます。
そういったことを防ぐためのルールが
この「スプリンガー枠」です。
でも逆に
スプリンガー枠のせいで若い選手の出場機会が制限されないように
23歳以下はスプリンガーには該当せず
1軍の試合も2軍の試合も制限なく出場することができます。
ちょっとややこしいですけど
こういった特殊な独自ルールもありますよということで紹介してみました。
ちなみに余談が僕の失敗談で
このスプリンガー枠違反で勝っていた試合が
反則負けになってしまった経験があります。
監督1年目でまだまだ慣れていないところもあったのですが
気がついたら最終回のラインアップにスプリンガーが4人いて
試合が終わった後に審判に交渉しにいったのですがもう後の祭りでしたね…
完全に僕(監督)のせいで勝星を一つ減らしてしまいました。
その後はもう2度と同じ過ちを繰り返さないために
念入りにチェックするようになりましたが
「ベンチにいるのに出れない」「制限がある選手がいる」
というのはなかなか監督としては神経を使うルールでした。
その6「ポストシーズン出場資格」
ブンデスリーガではレギュラーシーズンの後に
プレーオフとプレーダウンのポストシーズンが行われます。
そのポストシーズンには出場資格があって
レギュラーシーズンで8試合以上出場している必要があります。
ポストシーズンのためだけの補強ができないように
「ちゃんとレギュラーシーズンを戦ったメンバーでポストシーズンも戦いなさい」
ということですね。
ただ、この出場試合数というのはスコアシートに記録が残ればいいので
よくあるパターンが、
「初回一番バッターが普段出てない選手が出てきて一球見逃して即本来の一番バッターに交代」
というパターンや
「守備も同様にピッチャーが一球投げたらタイムがかかって守備交代」
のような「1球交代」です。
1球でもグラウンドに立っていたら試合に出場したとみなされるので
レギュラーシーズンの後半などで
試合数が足りてない選手がいたら
こういった「1球交代」の光景はしばしば目にします。
でもこのルールを知らないと本当に何が起きているのかわからなくなりますね。
実はさっきの僕の失敗談ですが
このポストシーズンの出場資格を得るために
試合数が足りていない選手を試合に出したら
スプリンガー枠違反になってしまったんですよね。
だからブンデスリーガならではのミスというか
ルールを知らないと勝ちが負けになってしまうような
独自ルールがブンデスリーガには存在します。
その7「延長ゴーストランナー制」
これは2023年から導入された新ルールですが
同点延長になった場合、ノーアウト1塁2塁から攻撃が始まる
いわゆるタイブレークのことです。
「ゴーストランナー」って皆さんも気になったと思いますが、
僕も子供の時に近所の公園で野球をしたりするときに
人数が足りない時「じゃあゴーストランナーね!」と言って
ランナーがいる程でプレーを続行していた経験がありますが
これはただのネーミングでゴーストではなくちゃんとランナーは塁上に居ます。
メジャーリーグでも実は延長戦タイブレークのランナーのことを
ゴーストランナーというので
ブンデスリーガでもそれにならってゴーストランナーと呼ばれるみたいですね。
まとめ
ということで実際にドイツブンデスリーガで6シーズンプレーをして
監督も務めた僕が【ドイツ野球の特殊な独自ルール7選】ついて解説しました。
最後に今日話した内容をまとめるとこんな感じです。
・ブンデスリーガでは野手2人、投手1人の外国人枠がある
・ブンデスリーガにおける外国人の定義がEU以外の国籍を持つ選手
・ショートとキャッチャーが同時に外国人選手が守ってはいけない
・外国人投手が登板できるのは2試合目に1人のみ
・外国人選手のベンチ入りは無制限
・2軍登録選手も同時に出場できるのは3人まで
・ポストシーズンには出場資格がある
・2023新ルール「ゴーストランナー制」
特殊な独自ルールを持っているドイツ野球で
そのルールがリーグのレベルにも大きく影響している
というのは興味深い話だったのではないでしょうか?
同じ野球でも一歩海外に出ると僕らの知らないことがたくさんあります。
そういうことを知るだけでも価値観がアップデートされ
視野が広くグローバル化されると思いませんか?
今日の記事も海外野球に興味があるあなたのお役に立てていたら幸いです。
Bis Bald tschüss.
写真提供:Bernd Piontek / Thomas Schönenborn