【海外野球の真実】ドイツ野球の“リアル”なレベル

Hallo Leute!! Wie geht es euch?
みなさんご機嫌いかがでしょうか?
Wataridori Blog管理人かたやまかずさです!

本記事は元プロベースボールブンデスリーガのぼくが最も聞かれる質問の一つ

 

「実際のところドイツ野球のレベルってどれくらい?」

 

というみなさんの疑問を実際にプレーをし、監督にもなったかたやまかずさがズバッとお答えします!

 

かたやまかずさ
結論からいうと、「ドイツ野球は日本の社会人、独立リーグに匹敵するレベル」です。しかしこれだけでは説明は不十分で、一言では言い表せないのがドイツ野球ですので、ぜひ最後までお読みください。

 

動画で見たい!という方はこちら↓

 

元ブンデスリーガ監督が語るドイツ野球のレベル

まずはドイツの野球のレベルを語る上での前提条件として

“ドイツ野球“と呼ばれるものには2つの種類があることを説明します。

2つの“ドイツ野球”

まず一つはドイツ代表のレベルです。

世界ランキングの評価対象となる国際大会のチームのレベルのことで、

どちらかというとこの代表のレベルを純粋なドイツ人の野球のレベルと捉えて良いと思います。

 

そしてもう一つはドイツ野球リーグである“ブンデスリーガ”のレベルです。

この2つは言葉にしてしまえば同じ“ドイツ野球”ですが、

リーグの場合、主となる戦力はクラブに雇われた助っ人外国人選手になります。

 

極端に言えば助っ人外国人のレベル=ブンデスリーガのレベルといっても過言ではないくらい、この2つは全くレベル感が違ってきます。

 

さらに、ヨーロッパの中でドイツ野球は

 

代表のレベルよりリーグのレベルの方が高い

 

という認識が一般的で、代表戦で評価される世界ランキングの順位よりリーグのレベルは高いといわれています。

 

これはつまり、ドイツ代表対クラブチームが試合をした場合

「ドイツ代表よりクラブの方が強いんじゃないか」

っていわれていると言うことです。

 

かたやまかずさ
日本に置き換えると、侍ジャパンよりジャイアンツの方が強いといわれているようなイメージです。

 

実際に結果としても出ていて、

ヨーロッパにはサッカーであるように野球にも

「クラブヨーロピアンカップ」

というクラブ単位でヨーロッパ1を決める大会があります。

 

代表戦では手も足も出ないオランダ、イタリアといったヨーロッパ強豪国のクラブに

ドイツブンデスリーガのクラブが互角以上の戦いを行うことができています。

2021年の大会ではドイツのチームが準優勝。

 

このように“ドイツ野球”といわれるものには2種類あって、レベルも全く違います。

 

それを頭に入れたうえで、僕自身が肌で感じたドイツ野球のレベルについて聞いてもらえたらと思います。

 

ドイツ代表のレベル

まずドイツ代表のレベルですが、
これは世界ランキングを見るのが一番かなと思います。

 

2023年11月更新のランキングで世界ランキング17位

ヨーロッパの中ではオランダ(7位)、イタリア(14位)、チェコ(15位)、に次ぐ4番手となっています。

引用:WORLD BASEBALL SOFTBALL CONFEDERATION

ヨーロッパ野球は長らくイタリア、オランダの2強と言われていますが、

ヨーロッパの3番手争いをここ数年はチェコ、スペインと繰り広げているといった感じです。

 

チェコはWBCに出場して日本と対戦したことで日本国内の中でも大いに話題になりましたが、

WBCヨーロッパ予選で出場枠を最後まで争っていたのもこのスペインとドイツでした。

 

僕も実際にドイツ代表選手と何度も対戦したことありますが、

日本ではアマチュアしか経験していない僕にとっては

日本で対戦してきた選手よりもレベルは高く感じました。

 

かたやまかずさ
ここで一回まとめると、ドイツ野球のレベルは世界ランク17位のヨーロッパ3番手争いをしているヨーロッパ野球中堅国といった感じでしょうか。

 

ドイツ野球リーグ“ブンデスリーガ”のレベル

次にドイツ野球リーグ『ブンデスリーガ』のレベルですが、

冒頭でも言った通り、日本の社会人、独立リーグに匹敵するレベルであると言えます。

 

とはいっても社会人、独立リーグのレベルにも幅がありますし、

なかなか「コレ!」と言い切るのは正直難しいです。

 

ですので完全にぼくの肌感覚になりますが、

ドイツの強豪クラブは日本の社会人チームだったり

独立リーグのチームと試合をしても本当に引けを取らないと思います。

 

なぜなら、実際にそういった強豪クラブでプレーする選手は

 

元メジャーリーガー

元マイナーリーガー

アメリカ独立リーグでのプレー経験

ドイツ代表や各国の代表選手

カレッジリーグのタイトルホルダー

 

という肩書きを持った選手がプレーをしていて非常にレベルが高いからです。

 

しかし一方で、Bクラスのクラブはいわゆる弱小クラブですね。

Bクラスのチームは日本の強豪校と呼ばれるような高校と10試合をすれば

全敗とは言わずとも負け越す可能性の方が高いと感じています。

 

このようにブンデスリーガの中でも強豪クラブと弱小クラブでは力の差が大きいのが現実です。

 

それを象徴するのが、

2018年のシーズン、ブンデスリーガ北部リーグでは

リーグ優勝を果たしたボンキャピタルスは

28勝無敗という圧倒的な強さでレギュラーシーズンを制しました。

そしてドイツ一を決めるドイツシリーズでも南部覇者のハイデンハイムを破ってドイツ一に輝いています。

かたやまかずさ
逆に最下位のチームはシーズンを通して1勝、2勝できるかできないかというようなケースもあり力の差が激しいのがベースボールブンデスリーガの特徴です。

 

ブンデスリーガでプレーする選手のレベル

より具体的な例を挙げてみると

ピッチャーの球速は、130km/h台が多いですが、

エース級ピッチャーの球速は150km/hを超えてくるピッチャーもザラにいます。

 

打撃面では3割後半の打率を残す選手もいますし、

28試合のレギュラーシーズンで10本以上HRを打つ選手も

毎年数名いるレベルです。

 

ブンデスリーガでプレーする“助っ人外国人選手”のレベル

また、ブンデスリーガのレベルを語る上で欠かせないのが

「助っ人外国人選手」の存在です。

 

先ほど言った強豪クラブでプレーする

元メジャーリーガーや元マイナーリーガーというのは

助っ人外国人選手のことで、それだけの肩書きを持った選手というのは

やはり非常にレベルが高いです。

 

ピッチャーの球速は150km/hを超えてきて、

バッターは4割近い打率と1.00を超えるOPSを記録する選手がほとんどです。

 

逆に言えばそれくらいのレベルでないと助っ人選手としてブンデスリーガでは通用しません。

 

ブンデスリーガでは外国人枠が野手2枠、投手1枠の3枠あるので

どのチームにも基本的にこのレベルの選手が3人はいることになります。

 

かたやまかずさ
助っ人外国人選手についてはブンデスリーガ特有のルールもあり、ドイツ野球に大きな影響を与えている存在ですので、別の記事で詳しく説明したいと思います。

 

ドイツ人選手のみで成り立つリーグであれば、

正直日本の社会人や独立Lに匹敵するレベルには到底及びませんが、

助っ人外国人選手の活躍により、リーグ全体のレベルは格段に引き上げられています。

 

ブンデスリーガ2部のレベル 

最後にちなみにですけど、

ブンデスリーガ2部になると格段にレベルは落ちます。

 

ピッチャーの球速は120km/h~110km/h台まで落ち、

守備のレベルももちろん下がります。

 

それ故に打率4割を超えるバッターも多数でてくるので、

リーグのレベルというのもなんとなく伝わるんじゃないでしょうか?

 

かたやまかずさ
正直同じブンデスリーガと呼ぶにはお粗末なくらいレベルは低いです。

 

まとめ

ということで実際にドイツブンデスリーガで6シーズンプレーをして

監督も務めたかたやまかずさが

「リアルなドイツ野球のレベル」について解説してみました。

 

最後に今日話した内容をまとめると

 

ドイツ野球のレベルは世界ランク18位、EU3番手争いをしているEU野球中堅国

ブンデスリーガのレベルは日本の社会人、独立リーグに匹敵

ドイツ代表とブンデスリーガのレベルは異なる 代表<クラブ

弱小クラブは日本の強豪高校には負け越す

元メジャーリーガー、元マイナーリーガー、独立リーガー、各国の代表選手、カレッジリーグのタイトルホルダーといった肩書きを持つ選手がプレーをするリーグ

2部は格段にレベルが落ちる

 

レベルというのは主観や曖昧な感覚に頼る部分もあるので

表現するのが難しいですが、

僕が実際にプレーをして肌で感じたものをお伝えしてみました。

 

ドイツ野球のレベル感がなんとなくでもイメージできていればいいなと思います。

 

Bis  Bald tschüss.

 

写真提供:Bernd Piontek / Thomas Schönenborn 

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