連日ドイツ野球についての記事を挙げていますが、今回はよりピンポイントに『日本人がプロとしてブンデスリーガーになる方法』について実体験に基づいて書いていきます。
まず初めに現実を突きつけることになりますが、ドイツ野球で日本人選手の需要はほぼありません。その証拠に僕がプレーした2016年~2020年の5シーズンでプロ契約をしている日本人は僕1人です。(過去には数人いらっしゃるようです)
理由は前回の記事を読んでいただけるとわかると思いますが、
『実力』『実績』『語学力と指導力』がなければ、ドイツブンデスリーガでプロ契約を結ぶのは難しいからです。そもそもドイツブンデスリーガというリーグは、本来、僕のような日本で大した実績もない、海外経験もない選手がプロ契約を結べるリーグではありません。
ではなぜ、何の実績も経験もない僕がドイツブンデスリーガでプロ契約を結ぶことができたのか。それを振り返ることで日本人がブンデスリーガーとしてプロ契約を結ぶための方法が見えてくるので、僕の渡独1年目について少しお伝えしたいと思います。
まず、意味不明に聞こえるかもしれませんが、「ブンデスリーガー」になることは誰でも可能です。
ドイツへ渡って2部リーグ以上のチームを保有するクラブに所属すればいいだけです。僕の感覚では日本でしっかり野球をしてきた人であれば2部で試合に出ることはそれほどハードルは高くありません。2部まではブンデスリーガなので堂々とブンデスリーガーを名乗っていただいて構いません。
1部で試合に出ようとすると、僕たち日本人はプロ契約の外国人選手と外国人枠を争わなければなりません。かなりハードルは高いですが、運も味方すれば1部で試合に出場することも可能でしょう。
では、プロのブンデスリーガーになるにはどうしたらいいか。
なぜ実績も経験もない僕がプロ契約を結ぶことができたか。
それはシンプルに実績を作ったからです。アピールにはいくつか方法がありますが、最も有効的なアピール方法は目の前で結果を残すことです。
僕は渡独1年目はプロ契約ではありません。現地のドイツ人プレイヤーと同じ、いちアマチュア選手として試合に出場していました。
当時は僕の他に、3人のアメリカ人選手がプロ契約をしており、海外経験豊富な選手と元マイナーリーガーがチームメイトでした。
外国人枠は3つしかなく、僕は4人目の外国人選手でした。
クラブも呼んでもない、必要のない4人目の外国人選手に給料なんて払いません。「無給で良ければ断る理由はないし受け入れるよ。」というスタンスでした。
言葉もわからない。文化もわからない状態でしたが、とにかく必死でした。数少ないチャンスで結果を残すことにこだわってシーズンを戦いました。ベースコーチ、キャッチャー、ピッチャー、任されたポジションは全て全力で行い、連日のダブルヘッダーとなる2軍の試合にも出続けました。その結果、2016シーズンのチーム内のベストバッターに表彰されました。
そうやって必死に駆け抜けた1年目の9月。シーズンも終わる頃に、GMの部屋に呼び出されました。
GM「今年一年どうだった?もし来年またケルンに戻ってくるならプロ契約をしよう」
僕「Yes‼︎Thank you!」
後にも先にも契約について即答したのはこの時だけです。
評価されるということがこんなに嬉しいことだとは知りませんでした。
『とにかく現地へ行って実績をつくって評価してもらう』
現状、特別な経歴もない日本人がドイツでプロ契約を結ぶにはこれが一番現実的な方法だと思います。そして成功例は僕です。正直ハードルは高いです。運も必要でしょう。ですが、可能性はあります。要は挑戦するかしないか。挑戦した先で結果を残せるかどうかです。行けば受け入れてもらえるだけドイツはチャンスがある場所です。
そしてこれは僕が渡独する前にはなかった情報です。
海外に挑戦したい方の一つの選択肢とその参考になればと思います。
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