ドイツで求められる助っ人外国人像

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僕は助っ人外国人という立場で5シーズンドイツへ渡り、4シーズン目の途中からドイツ野球では日本人として初となる監督になりました。

そんな僕がドイツ野球、ベースボール・ブンデスリーガで求められる助っ人外国人について解説します。

もし、ドイツの野球に興味があったり、プレーをしてみたいという方がいらっしゃいましたら参考にしていただければと思います。

さっそくですが、ドイツ野球で一番求められるポジションはもちろんピッチャーです。

いいピッチャーはどの国のどの野球のチームでも欲しいものです。

実際、どういったレベルの投手が求められるかというと、

・150km/hを超える球速

・空振りが取れる変化球

・100球超をシーズンを通して投げ続けられる身体の強さと体力

このあたりは必須条件になってきます。

この条件を満たすとなると、自ずと経歴は

元メジャーリーガー、マイナーリーガー、独立リーガー、大学野球タイトルホルダー、母国代表選手、他国トップリーグ経験者…

といった顔ぶれになります。

そしてこの中でも、監督という視点から僕が外国人投手に最も求める能力は「完投力」です。最後までマウンドに立っていることができる投手を僕は最も評価します。

なぜなら、こちらの記事に詳しく書きましたが、

ドイツでは2試合目に1人しか外国人投手は登板することはできません。ベストピッチャー同士の投げ合いです。ロースコアの試合展開となり、先にマウンドを降りた方が負けです。また、外国人投手の後を任せられるレベルのドイツ人投手ほとんどいないのが現状です。(逆に外国人投手の後を任せられるEU籍投手がいるチームはそれゆえに強豪と言えます)。

外国人投手のレベルはそのままチームの勝敗に影響します。どのクラブもレベルの高い投手と契約を結ぶことが外国人編成での最優先事項です。

そして野手で求められる外国人選手は『長打を打てる選手』です。

投手同様、攻撃面の主軸も外国人選手が担うことがほとんどです。レベルの高い外国人投手同士の試合となると、外国人打者が打てるかどうかが勝敗の鍵を握ります。ですので、外国人打者には1人でも点を取れる」もしくは「限りなく大きなチャンスを作る」ことが求められます。「どれだけ得点に貢献できるか」が外国人打者の評価のポイントです。となると、『単打できっかけを作る選手』より『長打で点を取る選手』が好まれる傾向にあります。

オプションとして「守備が上手ければ尚良い」という感じで、

【走<守<<<<<打】

くらい「打てる選手」というのが求められる選手となります。

ポジションで重宝されるのはキャッチャーですが、打てることが前提であることは変わりません。

そしてプレーでの貢献と同等に求められるのは「指導力」です。ドイツ野球の助っ人外国人は、コーチを兼任することがほとんどです。トップチームのコーチから、ジュニアやユースといったティーン世代の指導も任せられます。

そうなってくると最低でも英語が話せることが求められるので、英語圏の選手が有利になってきます。

まとめると、

【投手であれば三振が取れる先発完投型】

【野手であれば点に絡むクリーンアップ】

【ドイツ語(最低でも英語)で指導ができる人材】

これらの能力を兼ね備えた選手が求められる助っ人外国人選手像です。

ドイツ野球では、主力の戦力を外国人選手にある程度依存していることは否めません。それゆえに求められるレベルも高くなりますし、それに加えて指導力も求められます。

おそらく「ドイツで野球?」という日本のイメージから考えると、かなりハードルは高いです。ですがその分、他ではできない経験ができる場所だと僕は思います。

ハードルは高いですが、「本気」で挑戦したい方がいらっしゃいましたら、相談にのったり、アドバイスをすることはできます。「本気」で挑戦したい方なのでお気軽にとは言いませんが、ご連絡いただければと僕にできることはご協力させていただきます。

リアルなドイツの野球における求められる選手像をお伝えしました。興味のある方の参考になっていれば幸いです。

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