お父さん、それは本当に『指導』ですか?

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こんにちは!かたやまかずさ(@wataridorich )です。

公園でレッスンをしていると、熱心な(?)お父さんが厳しい口調で息子に野球の指導している光景をたまに見かけます。

普段他人に声をかけるようなことはしないのですが、先日『指導』ではなく『虐待』を目にしました。

見ていられなくなり、意を決してその親子に声をかけたはなしを記事にしました。

 

 

否定しかしない父親と一切声を発さない息子

僕がレッスンをしている公園にある家族が来てお父さんと息子(小1くらい)がキャッチボールを始めました。

はじめから口調がきついなとは思っていましたが、耳を傾けていると

「膝つかえって言ってんだろ」

「足動かせよ」

「ここ(グラブの土手)じゃねえっていってんだろ、話しきけよ」

「教えたこと一つもできてねぇじゃねぇかよ」

終始厳しい口調で罵倒する父親。無言の息子。

30分くらいそれが続くと公園の中心に移動。

10メートルくらいでキャッチボールを再開するのかと思えば、息子が投げたボールを捕らず息子に取りに行かせる父親。

「そんな投げ方教えてない」「走れ」

ボールが届かなければ拾いあげて反対方向に投げ、拾いに行かせる。

30分間はこれの繰り返しです。

 

 

息子を自分の所有物として扱う父親

僕は90分のレッスンを終えて次のレッスンまで少し時間があったので、少し様子を見ていました。

僕はその親子の様子を最初から最後まで(60分くらい)見ていましたが、父親が具体的な指導をすることは一切もありませんでした。

そんなキャッチボール(もはやキャッチボールではない)が続いてだんだん胸が苦しくなり、どう声をかければいいか悩んでいたところで、胸にきたいいボールを父親がはたき落として一言

「違う」

その光景を見て、僕は耐えられなくなり声をかけました。

僕「僕が代わりにキャッチボールしましょうか?」

父親「いや、うちのことだから」

僕「そうですけど、こんなことやったって一生うまくなんないですよ」

父親「うん、いいですいいです。関係ないんで関わらないでください」

僕「でも見てられないんですよ」

父親「じゃあ見なきゃいい」

僕「いや、見ないでくださいって言ったって…」

父親「じゃあ何かあったときに責任取れます?この先ずっと」

僕「どういうことですか」

父親「怪我とか何かあった時に責任取れますかって。取れないでしょ」

僕「今やっていることを続ける方が身体を壊すと思います」

父親「その可能性はあるかもしれないけど、それはうちの子どもだから」

「自分の子どもなら何してもいいんですか?」

父親「うん、いいです」

僕「信じられないですね」

父親「だから関わって来ないでください」

僕「見てられないんで」

父親「じゃあ教えれる?」

僕「教えれますよ」

父親「じゃあ来週からずっと来てくれる?」

僕「お金はいただきますけどね」

父親「お金払わないないよ。俺は経営者でも会社でもないもん。クラブチームに入ってやってるんだから。だからなんで言われなきゃいけないの」

僕「こんなの見てられないからです」

父親「じゃあ見なきゃいいじゃん。言われる筋合いないから」

僕「いや、ここ公園ですし…」

父親「じゃあ俺見てるから投げれるように今から教えれる?俺お金払わないけど」

僕「お父さんより全然教えれますよ。だってお父さん教えてないじゃないですか」

父親「そういうのいいから。俺コーチやってるから」

僕「どこのコーチしてるんですか?」

父親「いう必要あんの?言わないよ」

僕「何でですか?何か後ろめたいことでもあるんですか?」

父親「別に。何で言わなきゃいけないの」

僕「こういう指導は良くないなと思うからです」

父親「どう良くないの?どう良くないの?どう良くないの?」

僕「良くないですよ。まず教えてないですもん」

父親「何が?何を知ってんの?うちらの。今日たまたま会って言ってきただけでしょ?」

僕「そうです」

父親「だったら口挟まないで。(その場を離れながら息子に)向こう行け。やるぞ」

(下を向いたまま父親の方を向かない息子)

父親「何してんだよ。ふてくされるんなら帰るぞ」

…親子はそのまま帰って行きました。

 

手をあげるだけが虐待ではない

僕はこの公園で息子さんの声を一言も聞いていません。

ダメ出しだけして指導も無い父親に抵抗もせず、言われるがまま。投げては走るの繰り返し。

表情も暗く辛そうでした。

あの光景を思い返すとまだ心が痛みます。

本人(父親)は指導のつもりかもしれませんが、あれは虐待だと僕は思います。

今までも似たような光景を目にしたことはあります。ですが家庭のことにまで首を突っ込むのはどうかなと思って行動に移すことはありませんでした。でも今回はどうしても我慢できませんでした。

自分の行動に後悔はしていませんが、もっといい方法があったかもしれません。

ただ、今思うのは、またあの子に会えたら僕がキャッチボールをしたい。

「上手だね」「いい球だ」と声をかけながらグローブを持ったあの子の笑顔が見たい。

この冬休みに目にした残念な出来事でした。

皆さんの周りには指導と称して虐待している大人はいませんか?いないことを切に願います。

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