僕が「素振り」をしない理由

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野球の練習の中で、もっとも初歩的かつ基本であり、もっとも大事とされている「素振り」というトレーニング。僕はこの「素振り」をしません。

こんにちは!かたやまかずさです(@wataridorich)

いきなりですが、野球選手の皆さん、素振りはしますか?

かつては僕も素振りをしていました。1日最低100スイング。打てなかった日や大事な試合の前には気が済むまで…振れば振るだけ打てるようになると信じて、ただひたすらにバットを振っていました。しかし今は極力しないようにしています。

なぜなら僕にとって素振りは、打つ感覚を失いかねない練習だからです。

その理由を説明していきます。

まず、「ピッチングの素振り」とも言えるシャドーピッチングを思い出してみてください。鏡の前とかでタオルを持ってする、あれです。バットを用いてする素振りとタオルを用いてするシャドーピッチング。一見同じようなトレーニングですが、このバットとタオルの役割はまるで違います。

シャドーピッチングでなぜタオルを持つのかというと、実際にボールを投げたときにかかる負荷を再現するためです。

では素振りはどうでしょう。バッティングをした時にかかる負荷はバットの重みではなく、ボールとバットが衝突する衝撃です。

つまり、バットと同じ役割をしているのはタオルではなく腕です。

ではタオルを持たずにシャドーピッチングをするとどうなるでしょう。予想がつくかたも多いと思いますが、おそらく腕は勢いに耐えられず怪我をするか、その怪我を回避するために、実際にボールを投げる時のように思い切り腕を振れません

このタオルを持たない状態のシャドーピッチングと同じことをしているのが皆さんがいつもしている「素振り」です。

バッターボックスで空振りをした選手がずっこけてしまう、あのスイングが本当の「バッティングのスイング」です。もしあのスイングで100本素振りすると腰や膝、腕に過度な負荷がかかり、怪我をするでしょう。

だから素振りは「素振りのスイング」にしかなりません。

僕は人一倍インパクト(ボールとバットの衝突)の感覚を大事にしています。その感覚が良ければいいスイングですし、悪ければ修正が必要です。

だからその感覚を得ることのできない素振りは僕にとって、いい練習とは言えません

しかし、そういった理由で僕は素振りをしないだけで、素振りをしている人を目の前にして「素振りはするな」とは言いません。

フォームの確認など、目的があってする分には手軽な練習ですし、いいと思います。

実際僕も全く素振りをしないわけではありません。「バットを振るのであればボールを打ちたい」が本音ですが、いつでもどこでもボールを打てるわけではありません。「ボールが打てないからバットを振らない」というとオフシーズンにバットを握ることはほぼなくなってしまいます。なのでフォームの確認程度に軽く素振りをすることは今でもあります。

ただ振れば上手くなるというものではありません。かつての僕のように、闇雲に振って数をこなすことが目的となっている場合は「素振りをしない」という選択肢も考えた方がいいかもしれません。

Podcastでも「〇〇をしない」という選択肢の重要性を話しました。合わせて聴いていただけると嬉しいです。

Wataridori’s radio #6『もっとも尊重されるべき「〇〇をしない」という選択肢』

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