野球部なのに野球をしたことない子がいる国、日本。

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こんにちは。シーズン中は、ドイツケルンの野球クラブでクラブインストラクターとして小学生から大人まで指導をしているかたやまかずさ(@wataridorich)です。

 

少し前になりますが、Twitterでこんな投稿を目にしました。

 

この投稿を目にしたとき、これは見過ごせない日本の少年野球の問題だと思い、今回記事にしました。

 

もくじ

野球部なのに野球をしたことない子がいる国、日本。

試合に出れるレベルとは

試合に出すことがチームとしての義務

大人の役目は機会を与えること

 

野球部なのに野球をしたことない子がいる国、日本。

 

「小学5年生まで続けて3回しか打席に立てなかった」

 

なぜこのようなことが起きるのでしょう。

 

野球とは試合のことであってキャッチボールのことではありません。

 

野球の練習はあくまで練習であって野球そのものではありません。

 

バッターボックスに入って、ポジションについて、初めて野球をしたと言えるのです。

 

ということは、このTwitterの投稿の子は5年生まで野球を続けて3回しか野球をしていないということです。

 

ご自身や、皆さんの周りにもいませんか?

 

「野球部3年間で一度も試合に出れなかった」

 

こんなセリフ聞いたことはありませんか?

 

これは当たり前なことではなく、現場の大人は真剣に考えるべき問題です。

 

試合に出れるレベルとは

 

試合に出さない理由としてあげられるのは

 

「試合に出れるレベルではないから」

 

という理由があると思います。

 

では試合に出れるレベルとはどういうことでしょう。

 

「試合に出れるレベル」の定義としてこの2つがあげられます。

 

ケガのリスクという意味のレベル

チームの勝利に貢献できるという意味のレベル

 

ケガのリスクという意味のレベル

 

まず一つ目の「ケガのリスク」という意味でのレベルは、具体的にいうと飛んでくるボールが取れなくて顔や体にボールが当たってケガをする可能性があるというリスクです。

 

これはしっかり大人がケア必要なレベルです。

 

このケースであれば、場合によっては試合に出さない方がいいこともあります。

 

例えばボールへの恐怖心があるうちから、試合でバッターボックスに送ると恐怖心だけ強くなってしまう可能性もあります。

 

それが理由で野球への興味を失ってしまっては元も子もありません。

 

このようなケースでは、恐怖心の少ないポジションで試合に出したり、トスボールやティーボールから始めることが求められます。

 

チームの勝利に貢献できるという意味のレベル

 

二つ目の理由の、「チームの勝利に貢献できる」という意味のレベルは

 

「打てない」「フライが捕れない」「送球が届かない」など試合に出ても活躍できない

 

もっとはっきりいうと、チームの足を引っ張るという意味での試合に出れるレベルではないということです。

 

しかしこちらのケースは、一つ目の理由とは違い、試合に出さない理由になりません。

 

エラーや三振、ミスをするから試合に出さないというのであれば、

 

その指導者は選手のエラーや、ミスを責める指導者ということです。

 

子どものミスを許せない。だから試合に出さない。

 

勝利至上主義のチームにありがちですね。

 

しかしそれだと試合に出る子はいつも一緒で、経験を積めない試合に出ていない子との差は開くばかりです。

 

勝ちにこだわりすぎるが故に野球をするために来ている子が、野球ができないというのはあってはならないことです。

 

試合に出すことがチームとしての義務

 

ぼくが活動しているドイツでは試合は全員が出るものという共通認識があります。

 

なぜなら子どもたちは野球をするためにクラブへ入り、親は子どもが野球をするためにクラブへ入れているからです。

 

他の子の応援をするためにクラブに入る子をはいません。

 

みんな自分が野球をするためにクラブへ入るのです。

 

会費を払って入会しているクラブ会員に対して、クラブは「機会」を提供しなければなりません。

 

ですが、日本では冒頭ご紹介した子のように、何百回とユニフォームを着てグラウンドへ向かっても、野球をしたのはたったの3回ということもあります。

 

野球部に入っても、1.2年、下手すれば3年、野球をしないなんてこともザラにあります。

 

上手い下手に関わらず、誰でもバッターボックスに立つ権利は持っているのです。

 

試合に出さないということは、野球チームとしての義務を果たしていません。

 

野球をしないまま辞める子がいるというのは機会を与えなかった大人の責任なのです。

 

大人の役目は機会を与えること

 

大人の役目は子どもに機会を与えることです。

 

「子どものレベルが追いついていないから試合に出さない」ではなく、

 

その子が試合で活躍できるように上達させることが指導者の仕事ですし、

 

その子のレベルでもグラウンドに立てるようにサポートしてあげることが大人の役目です。

 

「野球部なのに野球をしたことない子がいる」

 

ぼくたち大人が役目を果たして、そんな矛盾した世の中はいち早く脱却しましょう。

 

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