ドイツで初めて経験して感じた「乱闘」という交流の場

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こんにちは。ドイツブンデスリーガでプロ野球選手兼監督をしているかたやまかずさ(wataridorich)です。

 

この記事では、ぼくのドイツでの経験談として「乱闘」のはなしをしてみたいと思います。

 

日本ではなかなか起きることのない試合中での乱闘ですが、

 

ぼくはドイツでプレーした5年間で、ほぼ毎年、累計で5~6回の乱闘を経験しました。

 

その中で特に印象に残っている2つの乱闘について書いていきます。

 

Podcastでも配信していますので、ながら聴きでインプットしたいという方はこちらからお聴きくださいWataridori’s radio#118『ドイツで経験した印象に残った2つの乱闘』

 

 

4年目に起きた乱闘

 

これは2019年。ぼくの4年目のシーズンの開幕戦でした。

 

アウェイでの試合で相手はドーレンファーマーズ。

 

試合はダブルヘッダーの1試合目の中盤に起こりました。

 

ぼくたちの攻撃でホームでのクロスプレーでランナーとキャッチャーが接触しました。

 

そのとき、ネクストバッターだったアメリカ人助っ人がキャッチャーに詰め寄ります。

 

彼から見たら、タッチの仕方が気になったようで、そこで一度小競り合いが起こりました。

 

ゾロゾロと両軍ベンチから人が出てきて、ランナーだったぼくもその輪の方へ向かいました。

 

中心の2人が引き離され、そのまま落ち着くかと思いきや

 

今度はピッチャーがヒートアップ。

 

もう一度小競り合いが発生し、みんなで止めに入ります。

 

当の2人が引き離され、もう終わったかと思ったその時

 

興奮冷めやらぬピッチャーが周りを制止を振り解いて、アメリカ人の元へ走りこんでいきました。

 

ぼくはその時、クロスプレーのランナーだったチームメイトにどうしてこうなったのか、状況確認をしているところでした。

 

チームメイトのはなしを聞いていたのですが、ちょうどぼくの方から相手ピッチャーがアメリカ人選手の方へ走って行くのが見えました。

 

見えてしまったんです。。。

 

ぼくは気づいたら身体が動いていて、三度勃発した乱闘の最前線に立っていました。

 

興奮状態の相手ピッチャーとファイティングポーズで向かい合う形となり、

 

走ってきてしまったものの、どうしていいか分からず、

 

ファイティングポーズで向かい合った状態でいると、周りが追いついてきて事なきを得ました。

 

乱闘に慣れてない故に、ぼくのような一際小さな日本人が最前線でファイティングポーズをとることになるとは

 

グラウンドでファイティングポーズを取ったのは、後にも先にもあの時だけです。

 

今思えば貴重な体験ができました。

 

そのときの映像が残っていました↓

 

結局、相手ピッチャーとうちのアメリカ人が退場。

 

その後、報復死球を経て、審判の(暴挙とも言える)判断により故意ではなくても与死球は即退場という措置がとられ、

両チーム3人ずつ、計6人が退場する荒れた開幕戦となりました。

 

5年目に監督として対応した乱闘

 

これは昨年、ぼくが監督という立場になってから起きた乱闘ですが、

 

後日乱闘が起こるという珍しいパターンだったのでよく印象に残っています。

 

昨年、コロナウイルスの影響で大幅に遅れながらも開幕した

 

ドイツベースボールブンデスリーガ。

 

1部で試合した相手と翌週2部でも試合を行いました。

 

ぼくは昨年、12部両方の監督を務めていたのですが、

 

2部の試合が終わった後、試合を見にきていたタンクトップに短パンの1部の選手が2人グラウンドに降りてきました。

 

「おい!!〇〇(選手の名前)をだせ!!」

 

とかなり怒った様子で怒鳴っていて、ぼくも何がどうなっているのか分からなかったのですが、危険な状態であることは察しました。

 

自分のチームメイトに抑えられながらもこっちのダグアウトへ向かってきていたので、ぼくは監督として、その場の責任者として、彼らとはなしをすることにしました。

 

はなしを聞くと、どうやらうちの選手が先週の1部の試合で、相手チームに対して暴言を吐いたと。

 

ぼくはそんな事実知りませんし、心当たりもありません。

 

ですが、おそらく反応を見る限り、嘘ではないようでした。

 

ぼくは

「うちの選手が君たちに失礼なことをしたならぼくが謝る。選手にも言っておくし、今日はこれで納めてくれ」

 

というふうに話しました。

 

すると相手も

 

「俺はお前に怒っているわけではないし、お前のことは好きだし、リスペクトしている。だけどダメなものはダメだ。ちゃんとお前の選手に言い聞かせてくれ」

 

5年もプレーしていれば、相手チームといえど、顔見知りにはなるし、お互いリスペクトをし合います。

 

相手チームの他の選手も間に入ってくれて、それ以上は発展することなく終わりました。

 

厳密に言えば選手同士の接触はなかったし、話し合いで済んだので乱闘ではありませんでしたが、一発触発のあの空気はかなり危険な空気に感じました。

 

番外編:試合を中断して雹合戦

 

これは乱闘ではないのですが、

 

ぼくの渡独1年目の夏の出来事で、とても印象に残っているので少しだけご紹介します。

 

それは真夏の試合ですごく暑かったのを覚えているのですが、突然の雨で試合が一時中断となりました。

 

雨が止むのを待っていると、屋根に当たる音がだんだん変わってきて、雹(ひょう)に変わっていました。

 

ただの雹なら別に気にすることはないのですが、驚くべきはそのサイズ。

 

直径3センチ台の今まで見たことがないサイズの雹でドイツ人もテンションが上がっていました。(上は実際の写真)

 

そこで急遽始まったのが両軍総出の雹合戦

 

落ちてくる特大の雹を拾って開いてベンチに投げ込むという争いが始まりました。

 

こんなの日本じゃあり得ないなと海外のスケールのデカさを感じた渡独1年目の経験でした。

 

そのときの様子が残っていました。こちらです↓

 

ドイツで初めて乱闘を経験して

 

ドイツで初めて乱闘を経験して感じたのは、輪の中心でヒートアップしている数人以外案外冷静だということです。

 

全然関係のないもの同士がその場で殴り合いを始めるようなことはないですし、

 

止めるときは両チーム関係なく(むしろ協力して)輪の中心を止めにいきます。

 

状況確認のためにはなしあったり、

 

「何やってんだか」と呆れた様子の選手さえいます。

 

ぼくはその輪に入ってみて一種の「交流の場」のようにも感じました。

 

もちろん当事者の中には根にもつ奴もいますが、

 

再度顔を合わせた時に、

 

「前は大変だったな」

 

と笑い話ができたりもします。

 

乱闘は決して肯定していいものではありませんが、その空気感(ある意味での一体感)は相手チームの選手との絆を作るきっかけだったりするなぁと感じたぼくの経験談でした。

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